伊藤又右衛門について

伊藤又右衛門は、長野県の漆器の町、木曽平沢で江戸時代後期に生きていた人物です。

木曽で職人をたくさん抱えた漆器店を営んでいました。三代目である先々代が戦後すぐ東京浅草に支店を出し、先代が盛り上げ、今日までこの地でお店を続けさせていただいております。

現在は木曽だけでなく越前塗、山中塗、会津塗などの品物を多く扱っております。

合羽橋道具街に近いことから、飲食店経営のお客様も多く、和食のお店で使う食器や什器など一般にはあまり見かけない品も取り扱っております。盛り付けを効果的に演出できる陶器、飾り物、和紙製品など、広くご好評いただいております。

漆器は「ぬりもの」と呼ばれてきました。

現在の漆器は、木製の漆塗りだけではありません。いろいろな技術や素地が開発され、ぬりものの材質や塗装も様々です。木だけでなく、木の粉を樹脂と混ぜた素地や合成樹脂だけの素地に、漆や合成塗料を塗った物などがございます。食洗器や電子レンジなど現在の生活スタイルに合ったカジュアルなぬりものも多くございます。

木製漆塗りは便利さとは相容れないところもあります。

しかし、手に取ったときの感触や風合いは五感に訴える特別なものです。そして昔ながらの漆器は、日本の風土に合い、日本人のものづくりの技術によって高められ定着してきた後世に残したい道具・生活スタイルでもあります。ぜひとも多少の不便さを、物を丁寧に扱う愉しみに変えて、日常の中で気軽に漆器を使っていただきたいと思っております。

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